２ステージ制より日本人に合っているもの
2015シーズンからＪリーグは２ステージ制に戻る。すでに、決まってしまったことなので、ここでどうのこう言っても後の祭り。非生産的な行為になるのだけれど、言っておきたいことがあるので一読願いたい。
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それにしても、なぜ２シーズン制になのか。なぜそれを十分な議論もせず、選択してしまったのか。
とはいえ、僕は、現行システムを続けるべきだと主張しているわけではない。むしろその逆。変えるべきだと思っている。
今のやり方が追求すべき理想であることは確かだ。本質を突いた、きわめてサッカー的なものだと思っている。２ステージ制だった頃（2005年以前）、一刻も早く、欧州のような1ステージ制に踏み切るべきだと積極的に主張したものだ。
その時、残念ながら、現在の姿は予想できなかった。広島、横浜、浦和、鹿島、Ｃ大阪、川崎、東京、仙台、新潟、大宮、柏、清水、名古屋、鳥栖、甲府、磐田、大分。この並びに、僕は世の中の人々がもっと敏感になっていると思っていた。この順位を見て、多くの人がもっと一喜一憂するだろうと。すなわち日本人の中に、潜在的に欧州人的な気質が潜んでいると思った。
もちろんゼロだとは言わない。そうした楽しみ方をしている人は実際にいる。しかし、多数派では全くない。チーム対チーム、クラブ対クラブには熱くなれても、その熱が都市対都市、街対街に波及する人は少ないと思う。憎たらしいのは相手チーム止まり。相手の街にまで及ぶことはない。心底憎いわけではないのだ。
試合の背景に潜むプラスアルファの要素の量で、Ｊリーグは大きく劣っている。何度も言うが、現在が、天下統一される前の戦国時代なら、18都市がずらりと並ぶ1シーズン制は、高い訴求力を示すと思う。会津対薩摩・長州のような対立軸が背景に潜むなら、18都市の並びは全く違ったものに見えるはず。ディープなエンターテインメントになっているだろう。
クラブ名に都市名を入れることが義務づけられている現在の縛りは撤廃すべきだと思う。名古屋グランパスはトヨタグランパスでも可。横浜マリノスは日産マリノスでも可。ガンバ大阪はパナソニック大阪でも可。企業名を入れた方が、訴求力が高いと思うクラブは、そうすればいい。入れる、入れないは自己判断。実際、それでも都市名を前面に出した方が得策だと思われるチームの方が、割合としては多いはずだ。浦和を三菱に戻す必要は何もない。
いま、高校卒業後、Ｊリーガーになるべきか、大学に進学して、体育会のサッカー部でサッカーを続けるか、頭を悩ませている高校生は少なくない。その結果、大学進学を選択する選手は毎年、増え続けている。これは決して好ましい傾向ではない。大学の環境はかつてよりだいぶ改善されたとはいえ、所詮は大学の体育会だ。環境はＪリーグに比べると落ちる。何より、指導者の質が高くない。コーチが週に一度程度しか練習に来ない大学もある。そうしたところに有望選手が多数いる現実は、どう見ても真っ当ではない。
それと日本の若手が伸び悩むこととは、大きな関係があると僕は見ているが、もしその大学が体育会ではなく、クラブだったら話は変わる。
オール早稲田、オール慶応、オール明治。ラグビーは毎年、シーズンが終わる頃、卒業生である社会人を加えたチームを編成し、オール早慶明の３大学対抗戦を行っている。
サッカー界に比べて日本のラグビー界は、ずいぶん遅れているように見えるが、この催しは別だ。学ぶべきものになる。「オール早稲田」にはまさにクラブ的な響きがある。早稲田大学体育会サッカー部が、オール早稲田に姿を変え、大学をメインスポンサーにして、Ｊリーグに参加できるようになれば、面白い状況が生まれると思う。対立軸は増える。社会に対する影響力も大きいと思う。
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