サムライ’ｓライバル：ベルギー

２００２年の日韓ワールドカップ（W杯）出場以来、ベルギーは主要国際大会への次の出場機会を待ち続けていた。タレントを欠いた０２年以降は砂漠のような不毛の年月だったが、ヴィツェルやドフール、フェライニやミララスなどといった優れた選手たちが代表チームで頭角を現してきたのは２０１０年以降のことだ。コンパニやアザール（あまりの期待の大きさから、代表チームでは苦しい時期を過ごしたこともあった）らもその力を証明してきた。ジョルジュ・レーケンス監督の下、誰もがEURO2012の予選突破を確信していたのだが、ベルギーはこの目標をも逃してしまった。

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それでもチームは正しい方向へと向かっているかに思えたのだが、２０１２年５月にはレーケンスが代表チームと袂を分かつことを決意し、クラブ・ブリュージュとサイン。数週間にわたる検討の末、レーケンスのアシスタントを経て監督代行を務めていたヴィルモッツが正式に新監督に就任した。当初はこの選択を批判的に受け入れた者も多かったが、彼らも後にはこれが最善の選択だったことを認めざるを得なかった。

ヴィルモッツの下で、ベルギー代表はさらなる成長を遂げてきた。マンチェスター・ユナイテッドやシティ、チェルシーやアーセナル、バイエルン・ミュンヘンやアトレティコ・マドリーなど、多くの選手が欧州のトップクラブに所属するようになったこともチームの成長の助けとなった。

W杯で優勝できるとまで考えるのはまだ時期尚早だろう。それでも、過去最高の結果である１９６６年大会に並ぶ準決勝進出を夢見ることはできるかもしれない。ベルギー代表はこれから、それだけの結果にふさわしいレベルにあることを見せていかなければならない。

守備から攻撃へとショートパスをつなぐ、非常にスピードのあるスタイルのベルギーは、観ていて楽しいチームだと言える。コンパニ（残念ながら今回は負傷で不在）とファン・ブイテン、あるいはヴェルメーレンが組むCBは強力だが、弱点があるとすれば左右のサイドバックだろう。左にはフェルトンゲンがいるが、彼は所属するトッテナムでのプレーと同じくCBでのプレーをより好んでいる。右には本格的にレギュラーと呼べる選手もいない。アルデルヴァイレルトがレギュラーだとは考えられるが、これまでにも何度かミスが目立っていた。

ベルギー代表が先週対戦したコロンビアは、速いショートパスをつなぐ点で日本と共通する部分もあるチームだったが、ベルギーはいくつかの問題を露呈していた。日本戦は今後への成長のためにも勝利の求められる試合とはなるが、相手が後半のコロンビアのようなプレーをするようだと苦しくなるかもしれない。

ベルギーでプレーする川島をはじめ、欧州でプレーする選手の増えてきた日本のサッカーに対しては、ベルギーでも注目は高まっている。技術的に非常に高いものを持った選手たちがいて、強いチームだという印象だ。２００２年W杯の際に素晴らしい雰囲気のスタジアムの中で対戦し、現監督のマルク・ヴィルモッツが見事なゴールを決めたときのことはベルギーの人々もよく覚えている。

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